母と祖父から才能を受け継いだ、職人気質のヒーラー。
パリから西に少し離れた郊外に住居兼、診療所をかまえるクリストフさん。
彼は、心身にトラブルを抱える人にエネルギーワークやリフレクソロジーなどを行い、人の内部と外部両方からのアプローチで治療を施すユニークなヒーラーです。
施術は椅子に座ったまま行われ、まずは全身のスキャニングと不要なものをざっと取り除くヒーリングから始まります。
クリストフさんから感じるのは、中国の気功にも似た、全身から練りだされるような迫力のあるエネルギー。大波のような瞬間が過ぎると、驚くほど爽快感のあるスッキリとした気分になります。
その後、頭や背中越しに温かで微細なエネルギーを送られるのですが、第3チャクラから第4チャクラを後ろで調整してもらう時には、まるで後ろからゼンマイを巻き上げられる人形になったような感覚に陥りました。
これは下手にされると困ってしまうのですが、クリストフさんの場合は実に慎重に行われているのがわかるので、安心して任せることができます。
そんな職人気質のクリストフさんが、ヒーラーの素質に気がついたのは幼少の頃でした。すでにお母様とお爺様にその才能があり、自分の能力はそれを受け継いだのだろうと彼は言います。
もともとフランスでは、ヒーリング(治癒)やリーディング(透視)の能力を持つ者は、中世の時代から宗教的にも医学的にも迫害されていた歴史があるそうです。そのため能力者たちは目立たないよう田舎に隠れ、ヒーリング活動も密やかに行われてきました。
現在もフランス全土でヒーラーの認知度は決して高くなく、人数も多くありません。しかしながら、クリストフさんが参加している団体は400人くらいのヒーラーが所属しており、地方には更にそれら組織に属さずに活動する高齢のヒーラーが多くいるとのことでした。
クリストフさんは、そんなご家族やフランス国内のヒーラーの元で数年間修行し、15年に渡ってポリネシアやタイでもエネルギーワークを生業とする人々から様々なエネルギーワークを習得したそう。
彼の熟練したスキルが確立されたのは、少なからず歴史上の表舞台からは見えない部分で継承されていったフランス独自のヒーリング術と、海外の特徴あるエネルギーワークを学んだからこそなのでしょう。
「治癒してほしい」その願いと、フェナカイトの力。
エネルギーワークを終えると、クリストフさんは私達のオーラの色を教えてくれました。
最も安定感のある精神状態をしている場合、オーラは「白」に見えるとのこと。
本来、人間のオーラは幾重にも重なっていて、そのひとつひとつの意味を読むことが多いのですが、彼の場合は主に心身の健康状態を見るようです。
幸い私達は良い状態だったのですが、それに加えて指にはめていたフェナカイトの指輪を指し、
「この石は、とても素晴らしく強いエネルギーを発している。ゴールドと合わさることで、さらにエネルギーバランスが良くなり、あなたにも大きい影響を及ぼしているようです。」
と言われました。
そう、フェナカイトは、指輪やチャーム、ブレスレットなどアイテムは違えど、Hariqua(ハリックァ)のヒーラーたちがそれぞれ所有している、いわばお守りのような石です。もちろん海外へ行く際も欠かしません。そのエネルギーの強さをわかってはいても、能力値の高いフランスのヒーラーの方から改めて賞賛を得られるというのはとても光栄なことでした。
最後に、彼が常に患者さんについて思っていることをお聞きしました。
「治癒してほしい。」それが一番の願いだそうです。
「もしあなたの中にネガティブな要素があるなら、ポジティブな方向に行くように、私は心とすべての気を込めて手をかざします。」
それはヒーラーとしての原点であり、役目でもあります。
Hariqua(ハリックァ)もそのような真摯な姿勢を常に持っていたいと強く願う、クリストフさんとの出会いでした。
絹糸の揺り籠に包まれるような、エネルギートリートメント。
パリ市内のサンティエ駅、石造りのビルの階段を上がり重厚なドアをノックすると、自宅にヒーリングサロンを構えるコリーヌさんが優しい笑顔で出迎えてくれます。
ジャスミンやスミレ、春の花々を感じさせる可憐な女性エネルギーが満ちるこの空間で、コリーヌさんは13年ほど前からヒーラーとして活動をしています。
彼女の場合、ストーンのエネルギーワークに加えて、実際にストーンを使用したマッサージも同時に行うのですが、これがまるでエネルギーのトリートメントを受けるかのような心地の良さなのです。
心に孤独やストレスを抱えていたり、クリエイティブな発想力や積極性などが失われているように感じる時、彼女のヒーリングは効果覿面かもしれません。
コリーヌさんがこの日見せてくれたストーンは、お気に入りのエメラルドの原石を始め、お客様の手に置くことが多いという大きなラブラドライト、そしてローズクォーツやアメシストやクォーツ、ヘマタイト・・・など実に様々です。
アメリカでもイギリスでも日本でも、「ストーンヒーリング」という、石を体の上にレイアウトして心身の滞りを解消する施術は近年盛んに行われていますが、彼女のレイアウトはかなり独自な路線を行っていて、とてもユニークです。
例えば石だけではなく貝殻なども使用し、レイアウトすると共に肌の上をさするように動かし、普段あまり感じたことのない感覚を与えてくれたりもします。
それはとても繊細な動きなので、単純なマッサージを求める人には全く向かないのですが、不思議なことに疲れた足元は強く押されたわけでもないのにフワッと軽くなり、額に置かれたエメラルドからは、森の中の、絹糸で紡いだ揺り籠に包まれて揺られているような、そんな安心感も感じられるのです。
「足元のヒーリングは大地に根を張るイメージで、顔のヒーリングは第3の眼を開くイメージで行っているのですよ。」
つたない英語でヒーリングの方法を教えてくれるコリーヌさん。でも、彼女の実際のイマジネーションはもっと独創的で楽しく、施術されている側にもそれが次々と伝わってくるのです。
終了後はなんだかスキップをしたくなるようなウキウキした気分になり、新しい何かに挑戦したくなるようなポジティブなエネルギーに満ちている自分を感じました。
何より大切にするのは、お客様とのハーモニー
癒しや愛情、冷静さ、豊かさなどそれぞれの得意分野を持つサファイアたちのように、手を変え品を変えオリジナリティ溢れる癒しの時を与えてくれるコリーヌさん。
お客様への願いについてこんなことをおっしゃっていました。
「石と手を通して、その人が何を欲しているかを感じて、心の声を聴いていきたい。そして、その声を本人が気づけるよう促していきたい。そんなお客様とのハーモニーを大切にしたいと思うのです。」
心からの自分の声に耳を傾けるのは、人生で最も大事なことです。
本来であれば自身で気がつければ良いのですが、現代では時間や環境に囚われ、それが実現できない人々が多くいます。だからこそ、ヒーラーとのセッションや、石との瞑想というのが日常生活に必要なのかもしれません。
コリーヌさんは、私たちが思い描くパリジェンヌの可愛らしさと、クリエイティビティを体現したような素晴らしいヒーラーでした。
そんな彼女から受け取ったイメージは、Hariqua(ハリックァ)のジュエリーにも色濃く反映されていくことになるのです。
心身の融合と魂の開放を促す、アシュタンガヨガ。
パリ中心部、ノートルダム・ドゥ・ロレット駅にも程近いアパートメント。一見すると大通りに面した賑やかな空間を想像しますが、ゲートをくぐるとそこには、閑静で澄み切った、何とも心地の良い空間が広がっていました。
パリらしいカラーリングが施された素敵なスタジオで私たちを迎えてくれたのは、アントワーヌさん。
穏やかさと優しさの中に、しっかりと筋の通った静かなる強さのようなものを感じさせる凛とした姿は、はるか昔からあらゆるものを達観していたかのような雰囲気ですが、そんな彼もヨガに出会う前の20代前半までは、考えも散漫で不安やイライラした気持ちを手放せずに日々を過ごしていらしたそうです。
ある日、膝のトラブルを解消するべく始めたヨガを通じて、心身の融合と調和を学び、本当の自分に気づくことで穏やかな心を取り戻すことができたと言います。
始めは、すべてのヨガの原点とも言われるハタヨガで姿勢と呼吸法を重点的に学び、その後、パワーヨガのベースにもなっているアシュタンガヨガを会得したそう。
アシュタンガヨガは、「太陽礼拝」という基本のポーズの後に、一連のヨガポーズを毎回決められた順に反復するという特徴があり、柔軟性やバランス感覚を均等に鍛えると同時に、呼吸のリズムに合わせた敏速な動きを身につけ、肉体と精神を結びつけることで心身を浄化できるという、体の内外に深く働きかけるパワフルなヨガです。
アントワーヌさんの丁寧なレクチャーは、アシュタンガヨガの経験が少ない私たちにもすんなりと入ってきて、気づけば、普段の体の硬さからは考えられないようなポージングを曲がりなりにも取れている自分に驚かされたりもしました。
鼻から強く息を吸って鼻から吐き出すという基本の呼吸法は、始めはなかなか慣れることができず、難しいポーズの際には息を止めてしまったりもしていたのですが、呼吸のリズムと動きをきちんとリンクさせることを意識すると、自分の体の動きにより注力できるようになり、鼓動や筋肉の動きをつぶさに感じられるようになっていきます。
動きの大きさに反して、一連のヨガポーズを続ければ続けるほど心は静かに穏やかになっていき、それはまるで私たちが普段行っている、魂、精神、肉体、石のエネルギーを1つにしていく瞑想の中でもたらされる無心さにも通じていると強く感じました。
ありのままの自分が歩むべき道は、いつだって目の間に。
ヨガのレクチャーを終えた後で、アントワーヌさんは話してくださいました。
「最初は自身の心を落ち着けるために始めたヨガだったけれど、その道を進んでいくうちに、魂と精神の開放することの素晴らしさや体をピュアにすることの心地良さを多くの人に伝えていきたいと感じ、ヨガとメディテーションのティーチャーになることを志しました。同時に仏教の教えにも深く共感し、今でも文献を読んだり、旅先でお寺を巡ったりしていると大きな喜びを感じるのです。
今こうしてみなさんと一緒にヨガやメディテーションができることは、私にとってとても幸せなことです。
あ、でも、おいしいものをたくさん食べたり仲間たちとおしゃべりする時も、同じくらい幸せを感じますよ(笑)。」
穏やかな笑顔でそう語るアントワーヌさんのお人柄は、まるで調和に満ちた人間関係の中で軽やかに生きる石、クリソベリルのようです。確固たる自信に裏打ちされた温かさは、自分の心と体の声に耳を傾け続け、しっかと自己を確立した経験からにじみ出てくるものなのでしょう。
それは、「1人でも多くの方々が、石と共にありのままの自分が歩んでいく道を見つけ、肩の力を抜いて自由に日々前を向いて歩いていけるように」と願いながらHariqua(ハリックァ)に集まってきているヒーラーそれぞれの思いを、より一層強くしてくれる素晴らしい出会いでした。
パリで出会った3人の方々は、それぞれがしっかりと自分のスタイルを確立し、自信と誇り、そして深い慈愛の心を持ってクライアントに向かい合っていらっしゃいました。
その道を極めようと日々訓練や研究を重ねる職人的なアプローチに、自分ならではの個性や想像力を効かせたワークをプラスしていていく独創的な取り組みは、パリというエスプリ溢れる空間で重ねた自己探求の賜物なのかもしれません。
様々な人との関わり、たくさんの課題、あっという間に過ぎていく時間・・・忙しい日常の中で、真の自分と向かい合い、心の声にじっくりと耳を傾けるのは本当に大変なことです。
でもそんな時、自身の道を軽やかにかつひたむきに進む彼らのことを思い出すと、「私は私。目の前の道をまっすぐに進んでいこう!」と思えてくるのです。
今回は、そんなパリに息づくスピリットを少しでもお手元で感じていただけたらと、それぞれの石たちが主張しつつも寄り添いあっているようなコンビネーションチャームやピアス、大人の女性にふさわしくも遊び心溢れるデザインのブレスレットやネックレスなど、数々のアイテムをご用意いたしました。
清らかで希望に満ちた光が、石たちと共にみなさまの元へお届けできれば幸いです。