スペイン北部 アストゥリアス地方の美しい海岸。
聖ヤコブの眠るサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のひとつ。
眩しいほどの光の祝福はその情景だけにとどまらない。
砂浜に転がる砂や石つぶたちの輝きだ。
うっすらと色づく見覚えのある結晶体が顔をだす。
まがいもないフローライトとクォーツである。
古代の岩場や断層が残っていた。
長い年月をかけて波に砕かれ、八面体の結晶は岩になり、砂になり、
イベリア半島のこの一角に広がることになったのか。
そして、視界を遮るように現れる断崖。
かすかなクライミングルートが見えてくる。
崖を登り始め、何気なく手を置いた背の高さほどある岩の上には、
ドゥルージークォーツとフローライトが共生していた。
重低音の賛美歌がひびいてくるようなエネルギー圧。
それはまるで、キリスト教の祭壇のようで、
幾重にも重なる断層のひとつひとつが、
パイプオルガンの空気穴のように凝縮した空気をおしあげる。
あなたには聖智があり、浄化の使命がある。
曇りなき眼差しと優しさをもって来たれば、それを知るでしょう」
横に窪んだ穴のなかには砂岩に混じる粘土層があり、それをかき分ける。
地球のコードに繋がったままのクリスタルたち。
全ての理を知り、新たなる路をいかん。
さぁ、かの地へ。」
Asturias Quartz
美しいフォルムと透明感をたたえる、オイル入りやエレスチャル。そして、フローライトと共に眠っていたクリアクォーツたち。そもそも国際市場でほぼ見ることがないスペイン産のクォーツですが、それはクオリティが世界基準に達しないためと勘違いしていました。
水晶(クォーツ)を見慣れている私たちでさえも、感嘆の声がもれるクォーツたちが、アストゥリアス地方にはたしかに存在していたのです。
そのクォリティの高さは数百年前から認知されていたのかもしれません。カタルーニャ美術館では、12世紀頃に製作された、手磨きと思しき水晶(クォーツ)を、十字架の中心に据えた金細工を目にしました。
手磨きならではの光の透け感はまるで、巡礼路でみた霧に透ける朝日のように神々しく、それが今回製作したチャームとブレスレットのモチーフとなっています。
Fluorite’s Hymn
アストゥリアス地方の多彩な色合いのフローライト。この地方の海岸の崖に眠るフローライトからは、自然が作り出したパイプオルガンのごとく重厚な音色が、石たちから発せられているようでした。
アストゥリアス・フローライトの内部には水のエレメントが強く存在しており、そのなかを漂うように慈愛の念と大いなる智慧がどこまでも広がっています。心を鎮め、ストレスや不安を洗い流すような浄化力もあります。必要とあれば魂の純化にも着手してくれるでしょう。
ときに静夜の光明のように、ときに光の清水のように光を変化させながら、持ち主に働きかけてくれるのです。