湖に浮かぶ一隻の舟に佇むのは、ハロウィンのカボチャのような顔をしたスピリット。この石にとって湖面は世界を見渡す魔法のスクリーンであり、常に世界で起こる様々な事象を映し出し、捉えています。続けてスピリットは、ランタンで湖を照らし、まるで実験でもするかのようにガラスの杖の先からインクのような液体を水のなかに落とします。

「明日をみせて欲しい」と聞けば、そこに晴れやかな空、訪れたことがない土地や見たことがない自分の姿が浮かび上がるかもしれません。地球外や高次からの交信メッセージでさえ映すことができます。あらゆる可能性を探り、きたる未来を的確に予見し、捉える行為をライフワークのようにしているグレームーンストーンにとってそれは簡単なことなのです。

また、各地の精霊や高次の存在達との伝達に長けてもいるので、持ち主がどの世界へ旅立とうとも守護的なサポートの手を広げることができます。

その心は常にニュートラルに保たれており、時として人間的な感情に共感しながらも、必要があれば無生物に変身したかのような速さでエネルギーが鎮静化されます。グレームーンストーンのエネルギーと共に過ごし、共鳴することができれば、スピリットの一連の得意技は当然に持ち主に写しこまれるでしょう。

たとえ怒りや悲しみの感情に捉えられることがあったとしても、不要なエネルギーは夜の闇に吸い込まれ、逆に大いなる光に包まれます。闇から生まれる新たな光は同じ光でもひときわ神聖で、また浸透力が高いのです。

この石は、ネガティブな力をポジティブに変換する力にかけては他のどの石より優れているかもしれません。

泣いたあとに見える景色が一際に美しくみえる。悲しみや憎しみがあったからこそ見える世界。人の負の感情や弱さ全てを受け入れ、それがあるからこそ、一際に輝くエネルギーへ変えられてしまう力の持ち主です。

また、そんな懐の広さと共感能力の高さもありながら、実に洗練されたスタイリッシュな感性を放出しているのがこの石の素晴らしいところでもあります。

その感性の根本は整合性のある情報や形を構築できる、デザイン力です。カラーや線、生活に至るまで総合的に見る「引いた目線」も常にあることから、調和と洗練をもたらす構成であったり、音であったり、組織までも生み出すことができるようです。

このスピリットがもたらす智慧ともいえる、何層にも分かれる美の規則性や、輝きの根本が何たるかの情報は共にいれば、自然と得ていくことができるでしょう。